Fintechが実現する金融サービス:新時代のキャッシュレス決済とは?

先日の記事では、世界のキャッシュレス化についてご紹介した。
キャッシュレス化は世界的に加速しており、またその取引形態も多様化してきている。日本では「キャッシュレス支払い=クレジットカード払い」というのが一般的だが、地域によってはデビットカードの方が優勢だ。今後はさらに、プリペイドカードやeWallet(電子マネー)なども増えてくるだろう。

決済サービス大手であるイギリスのワールドペイ(Wordpay)の調査結果にも出ているが、キャッシュレス取引におけるクレジットカード比率は今後ますます下がっていくことが予想されている。

クレジットカードの決済方法

Fintechが実現する金融サービス:新時代のキャッシュレス決済とは?

ではここで、クレジットカードの決済システムについて整理しておこう。クレジットカードの種類によって異なる決済方法3種類を紹介する。

国際カードブランドのネットワークを使った決済

日本で多くの人が使っているのは、VISA/Master/JCBなど、いわゆる国際カードブランドといわれるクレジットカードである。多くの企業が自社ブランドのクレジットカードを発行しているが、ほとんどのカードには右下にVISA/Master/JCBなどのマークがついている。これらのカードの場合、決済ネットワークは主にVISA/Master/JCBのネットワークを使っているのだ。
 
日本国内では、VISA/Master/JCBなどの国際カードブランドのネットワークは主にCAFISセンターという中継システムに接続されている。店頭でレジの機械にカードを通すと、まずは全てCAFISセンターに接続される。そこから各クレジットカード会社に振り分けられて、カードの有効性や限度額のチェック、決済が行われるのだ。なお、このCAFISセンターは、NTTデータが運用している。
 
国際カードブランドは、多くの店舗で使えるというメリットがあるためユーザーもとても多い。だが一方で、その決済にはブランドフィーなどの中間マージンが発生するというデメリットも店側にはある。そこで登場してきたのが、これからご紹介する決済方法だ。
【国際カードブランドの例】VISA/Master/JCB

独自ペイメントネットワークを使った例(海外)

国際ブランドのネットワークを使わず、独自のネットワークを構築して決済をしているサービスがある。Alipay(アリババグループの決済サービス)、そしてWeChatPay(中国のSNSサービスWeChatPayの決済サービス)がそれだ。完全に自前のシステムで完結しているブランドとして世界的に知られる成功例である。
 
さらに、AlipayやWeChatPayは独自アプリの開発でも大成功しているのだが、これについてはまたあらためて紹介しよう。
 
【独自ペイメントネットワークを使用しているブランド例(海外)】Alipay/WeChatPay

独自ペイメントネットワークを使った例(日本国内)

日本国内にも、VISA/Master/JCBなどのネットワークを使用せず、CAFISセンターも経由しないで低価格インフラを活用してサービスを展開しているブランドがある。LINE Payや楽天Payなどがそれだ。ただし、それぞれ少しずつ異なる方法で決済をしているため、AlipayやWeChatPayなどとは区別されている。こちらも、詳細についてはまたあらためて紹介しよう。
 
【独自ペイメントネットワークを使用しているブランド例(国内)】LINE Pay/楽天Pay/PayPal/Tranzax(トランザックス)

新方式のクレジットカード決済手段

クレジットカードが多様化してきてたのと同時に、クレジットカードを使った決済手段もまた進化している。新しい方式のクレジットカード決済方法について紹介しよう。

mPOS決済

近年、レジの代わりにタブレット端末が使われていたり、スマートフォンに接続された小さいカードリーダーで決済したりするお店が増えてきたのをご存知だろうか。これらはmPOSと呼ばれ、いま急成長している分野である。

コンビニエンスストアや大手の販売店などに入っているのは、POSレジとよばれる大掛かりなレジである。しかしPOSレジは導入コストが高額で、小規模店舗が簡単に導入できるものではない。また、カード決済端末を導入するには10万円程度の初期費用と月々のランニングコストがかかってしまうという問題もある。
 
そこでそういった小規模店舗をターゲットに開発されたのが、mPOSというシステムだ。通常のPOSシステムよりも導入コストが安くすむというメリットがあり、日本国内では小規模販売店を中心に急激に拡大している分野なのである。

プラスチックカード不要のタクシー決済

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日本交通のタクシー内で、タブレット端末に表示されるQRコードをスマートフォンで読み取って決済ができるようになったをご存知だろうか。Origamiというブランドが提供しているそのシステムを使った決済には、プラスチックカードもカードリーダーも不要。表示されるQRを自分のスマートフォンで読み取るだけで決済は完了だ。

指紋認証、顔認証決済

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iPhone Xが発売されて顔認証が話題になったが、いまやスマートフォンの顔認証や指紋認証は、端末へのログインのみにとどまらず、銀行の振込や購入決済などの認証手段としても使われるようになった。今は指紋1つで、買い物ができてしまう時代なのだ。
 
そしてさらに、プラスチックカードはもちろんのこと、スマートフォンすら不要の決済サービスが登場している。株式会社Liquidが提供するLIQUID Payだ。店頭にある端末で3本の指の指紋を読み取るだけで決済ができるサービスで、体1つでお店に行き、財布はもとよりスマートフォンすら取り出さずに買い物ができてしまう。まさに「手ぶら決済」が実現しているのだ。

Fintechとは・・ユーザーの方向を向いた新しい金融サービス技術

従来の決済サービスは、高額なPOSレジやクレジットカード端末が必要であったことから大型店を中心に進化してきた。しかしFintechによってその導入コストが下がり、小規模店舗なども利用できる時代へと変わっている。中間マージンが減ることによって手数料が下がり、それが価格などに還元されるようにもなった。そしてもちろん、簡単に決済ができるようになってその利便性は格段に上がってきている。
現在もまだまだ数多くの企業が様々なサービスの準備を進めている。金融業界は、Fintechにより今後もますます変革していくだろう。

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