Fintech時代到来!日本から現金がなくなる日は来るのか!?

   

電車でもコンビニエンスストアでもスターバックスでも、どこに行っても現金を使わず支払うことができる時代になった。Apple Payやおサイフケータイを搭載したスマートフォンがあれば、クレジットカードすら持たずに買い物に行けてしまう。スマホ決済と、スマホケースに入れたカード類さえあれば、財布を忘れても不都合なく1日過ごしてしまえるのが今の時代だ。
すっかりキャッシュレス化したと思われている日本だが、実は他国に比べるとかなり遅れているというのはご存知だろうか。

日本はキャッシュレス後進国!?

買い物などの消費のうちの、現金とキャッシュレス取引の割合を見てみよう。先進国では、消費のうちの約40%がクレジットカードなどキャッシュレス取引と言われている。たとえば韓国では約60%、中国でも約55%がキャッシュレスだ。それに対して日本はまだキャッシュレス取引が全体の約18%。完全に出遅れてしまっていると言えるだろう。

スウェーデンは98%がキャッシュレスという事実

この話題で必ず登場するのが、スウェーデンの例だ。スウェーデンでは、キャッシュレス比率がなんと98%。現金取引はわずか2%しかないのである。クレジットカードよりもスマホペイメントとデビットカードが多く利用されており、お店での買い物はもちろん、鉄道やバスも現金利用不可。納税や役所での支払いもキャッシュレス。そして約半分の銀行では窓口での現金の取り扱いをやめたという徹底ぶりだ。

韓国では少額硬貨の廃止が決定

現在キャッシュレス比率60%まで上がっている韓国では、主にクレジットカード払いが拡大している。大手企業はクレジットカード払いを受け入れなければならないという法律ができ、国がしっかりバックアップしているのだ。2020年には少額硬貨が廃止されることが決まっており、少額のおつりが出なくなってしまう予定だそうだ。

日本もここ数年で増加傾向

先述の通り日本のキャッシュレス比率はまだ18%程度であるが、確実に伸び続けてはいる。ここ10年間では増加率90%と言われており、特に小売業で伸びているとされている。単に小売業が拡大していることによる伸びだと見る向きもあるが、小売業の伸び率以上にキャッシュレス比率も伸びてはいる。ただし、他国と比べると遅れをとっているのもまた事実だ。

日本のキャッシュレス施策

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出遅れた感の強い日本ではあるが、手をこまねいて見ているわけではない。ここ数年で法改正などの対策も取られ、キャッシュレス化を政府もバックアップし始めているのだ。

ビットコインが認められた資金決済法改正案

2016年5月に資金決済法という法律の改正案が成立した。これによりビットコインが決済手段として認められることになっている。保守的という印象の強い日本の法律でビットコインが対象になるなど、驚きだと思う人も多いのではないだろうか。

Fintech企業の参入が期待される割賦販売法改正案

2016年11月には割賦販売法という法律の改正案が成立し、2018年6月までに施行されることが決まっている。これによりクレジットカード決済の紙の利用伝票の発行義務がなくなり、電子メール等で対応することが認められるようになるため、Fintech企業が参入しやすくなると言われている。つまり、Fintechによりキャッシュレス化がより促進されることが期待されているのだ。

経済産業省のFintechビジョン

2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」において、キャッシュレス決済比率を2027年6月までに4割程度に増やすという宣言が出されている。今から10年間で倍にすることを目指している・・と聞くと、「え?たったの4割?」と思う方も多いだろう。スウェーデンは今の時点で98%、韓国は60%なのに、日本は10年後に40%を目指しているというのだ。実はここには色々な事情がからんでいるのであるが、これについてはまたいつかお伝えしよう。

キャッシュレス化のメリットとは?

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では、そもそもなぜ各国はキャッシュレス化を推進しているのだろうか。そこには大きなメリットがあるのだ。

造幣コスト削減

紙幣を作るのにはコストがかかる。偽造紙幣技術も進み、国の負担も大きくなってきているため、紙幣を製造しなくても良いというのは非常に大きなコスト削減になるのだ。

税金の安定徴収

日本人にはあまりピンとこない話かもしれないが、世界では脱税が非常に大きな問題になっている。カード払いなどにすれば確実に徴収できるため、国にとっては大きなメリットだ。
そしてもちろん、国だけでなく店や銀行など様々なところで多くのメリットがある。

犯罪防止

日本でもそうだが、海外では特に犯罪防止のためにお店に現金を置きたがらないというケースが多い。多少の手数料を払ってでも、カード払いで取り扱う方が良いのだ。

ATM管理コスト削減

ATMは管理コストが非常に高く、日本国内で一年間にかかるコストは2兆円とも言われている。機械自体のメンテナンスはもちろん、設置スペース、警備、現金輸送など、様々なところに多くの費用がかかっているが、現金が減ればATMも減り、その管理コストが大きく削減できるということが期待されているのである。

データをマーケティングに活用

キャッシュレスにすれば、履歴がデジタル化されて残るため、それを利用したマーケティングができるというのが店にとっても大きなメリットだ。これに関してはアメリカが一歩先を進んでおり、ウォルマートやターゲットといった大手企業がそれを積極的に活用していることが知られている。

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