オーストリアの首都ウィーン。ハプスブルク家が長く統治し、大きく発展した都市だ。美しい建造物が建ち並ぶ旧市街と周辺地区が、「ウィーン歴史地区(Historic Centre of Vienna/Centre historique de Vienne)として2001年にはユネスコの世界遺産に文化遺産として登録されている。
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ウィーン名物!?トラムでリングを一周しよう
ウィーンの旧市街は、リングとよばれる路面電車(Strassen Bahn)の環状線に囲まれている。ウィーンに到着したら、まず路面電車に乗って旧市街を半周または一周してみるというのが、ウィーン観光の定番だ。
リングの路面電車には2種類ある。
1.観光用の黄色いウィーン・リング・トラム(Vienna Ring Tram)
2.普通の路面電車
黄色いウィーン・リング・トラムは、途中下車不可でぐるっと一周を見て回るタイプのもの。ウィーンの旧市街はとても小さいので、一周しても30分ほどしかかからない。まずは黄色い電車で一周して、全体像を把握するというのがおすすめ。路面電車に乗っていると、旅行ガイドで紹介されている歴史的建造物を次々に見ることができ、旧市街の地理もなんとなく把握できるだろう。
もし好きなように途中下車をしながらゆっくり回りたいなら、普通の路面電車がおすすめだ。
シュテファン大寺院(Stephansdom)は旧市街の中心
近くで見ると、思ったよりずっと大きい印象を持つ方も多いのではないだろうか。ウィーンのシンボルとも言えるシュテファン大寺院は、ウィーンの旧市街、リングの中心にある。ウィーン旧市街は小さな街なので、数日間の滞在中でも何度もここを通ることになるだろう。
ウィーン美術史美術館(Kunst Histrisches Museum)
リングを一周するトラムに乗っていると見える建物。ここはウィーンを代表する美術館、美術史美術館である。写真中央右に写っている銅像は、マリア・テレジア像。マリア・テレジアは、オーストリアを統治したハプスブルグ家の女帝と呼ばれた人物だ。
美術史美術館には、ハプルブルグ家の所有していた絵画が所蔵されている。ベラスケスの描いたマルガリータ王女をはじめとするハプスブルグ家の肖像画や、ピーター・ブリューゲル作品がたくさん展示されているほか、フェルメールやレンブラント、アルチンボルドなどの作品もある。窓の上の小さな壁に描かれているクリムトの絵も有名だ。
実はこの庭は中庭になっており、マリア・テレジア像はその中央にある。向かい側には美術史美術館とそっくりの建物がたっており、そちらはウィーン自然史博物館(Naturhistorisches Museum)という博物館。大きな恐竜の骨や化石、石類などがたくさん展示されているので、好きな方は半日あっても時間が足りないだろう。
ウィーン国会議事堂(Parlament)
リングを一周するトラムに乗っていると、ウィーン美術史美術館・自然史博物館の次に見えてくるのが、ギリシャ神殿を思わせる様式の国会議事堂だ。とても綺麗で一見新しいように見えるが、完成したのは1883年。歴史ある建物なのである。
なお、写真の右奥に細く伸びる塔のような屋根が見えるが、それは次にご紹介するウィーン市庁舎(Rathous)だ。
ウィーン市庁舎(Rathous)
国会議事堂のすぐ隣にあるウィーン市庁舎。ここもリング沿いにあるので、トラムに乗っていると見えるだろう。建物の前に広場があり、さまざまなイベントが開催されている。あのウィーンフィルが特設舞台の上で美しく青きドナウを演奏する、などという贅沢なイベントが催されることもあるが、一番有名なのはクリスマス時期になると開かれるクリスマスマーケットだろう。ウィーンは街が小さいためクリスマスマーケットも小規模ではあるが、このために12月に訪れる人もいるという楽しいイベントだ。
ウィーンでは、クリスマス前の時期になるとプンシュ(Punsch)とよばれる温かいフルーツのお酒がよく飲まれるが、このクリスマスマーケットにもPunschを売る店が出ている。体が冷え切ってしまったら、Punschで温まるのがウィーンのクリスマスマーケットの楽しみ方だ。なお、Punschは12月になるとウィーンの各所で見かけるようになる。観光の合間に、カフェではなくPunschで休憩というのもぜひおすすめしたい。