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40歳代では1日の平均睡眠時間が6時間未満の人が約半数
厚生労働省が2018年9月に公表した「国民健康・栄養調査」(2017年11月実施)の結果によると、20歳代以上の男女の1日の平均睡眠時間は、6時間以上7時間未満の人の割合が最も高く、男性 35.0%、女性 33.4%でした。
1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性 36.1%、女性 42.1%を占めていますう。1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男女ともに40歳代で最も高くなっており、男性48.5%、女性52.4%と、半数前後にものぼります。
また、「睡眠で休養があまりとれていない」あるいは「睡眠で休養がまったくとれていない」と回答した睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は20.2%でした。睡眠で休養が十分にとれていない人の割合を年代別でみると、40歳代が30.9%と最も高く、これは40歳代の約3人に1人が十分に休めていないということになります。
わずかな睡眠不足がじわじわと蓄積する「睡眠負債」にご注意!
睡眠は、心身の疲労を回復する働きがあり、欠かせないものです。しかし、睡眠時間が不足したり、睡眠の質が悪化したりすることが続くと、生活習慣病を発症するリスクが高まると考えられています。また、不眠が続くと、うつ病などの心の病気につながるとされています。さらに、睡眠不足や睡眠障害による日中の眠気が、事故を引き起こす危険性を高めることなどがわかっています。
最近では、日々のわずかな睡眠不足が借金のように積み重なることを「睡眠負債」といい、2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)にノミネートされトップテン入りするなど、注目が高まっています。睡眠負債がたまると、心身に大きなダメージを引き起こし、仕事や家事などの作業能率が低下することや、命に関わる病気につながるおそれがあることなどが指摘されています。
睡眠負債を解消するには?
睡眠負債をためないためには、十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を改善することが大切です。厚生労働省では、睡眠について正しい知識を身に着け、実践することを目的とした「健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠 12 箇条~」を発表しています。ぜひ参考にして毎日の睡眠を見直し、睡眠負債を解消しましょう。
「健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠 12 箇条~」(厚生労働省)
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
※この記事は、2018年10月25日現在の情報をもとに作成しています。
【参考資料】
■厚生労働省 ホームページより
平成29年「国民健康・栄養調査」の結果(平成30年9月11日)
厚生労働省「平成29年 国民健康・栄養調査の概要」
■厚生労働省 ホームページより
「睡眠対策」
厚生労働省 健康局「健康づくりのための睡眠指針2014」(平成26年3月)